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まるこ & あおい のホントのトコロ

さらっと読めて、うんうんあるある~なエッセイ書いてます。

私は 「かわいそうな子」 でした

「かわいそうに」 私はこの言葉を何度聞いたことだろう。母はことあるごとにこの言葉を発していた。近所の子が転んで膝を擦りむいた話をしたときも、いじめられている子の話をしたときも、大人が落ち込んでいるときも。あの当時は、確かにかわいそうだよね、…

水色のクレヨンが私に教えてくれたのは、素直になるということだった。

「はーい、みんな、今からお絵描きの時間ですよ。クレヨンを出してくださーい」 先生の声掛けに、園児たちはそれぞれのお道具箱からクレヨンを取りだした。 画用紙がくばられ、園児たちは思い思いの場所で絵を書き始める。 雲一つない晴れ渡った秋の空。気持…

S婦人の奇怪な行動から見えてきたものは、認めたくない真実だった

「あっ、しまった……」 ある日の朝、娘を駅まで送り届けたあと、駐車場に車を入れようとしたとき、家の前を通り過ぎようとしていたS婦人と目が合ってしまった。 車の中から軽く会釈しながら、このまま通り過ぎてくれることを祈ったけれど、彼女は私の家の前で…

真面目 + 余白 = 不真面目?

「もう! いっつも私ばっかり……」 私は長らくこう思ってばかりいた。学生時代の掃除もほとんどサボらず、周りがサボっている分まで掃除をすることもよくあった。会社員になってからも、やるべきことはもちろんのこと、どうしたら他の人達も使いやすくなるの…

自慢の父からスケベ親父への転落、からの復活

「さあ、ウイットのきいた会話、しようぜ」「あほちゃう? このおっさん。ウイットってなんやねん? そんな昭和な言葉知らんわ」娘はすかざず夫に突っ込む。 アホと言われようが、おっさんと言われようが、にこにこして娘と会話している夫。どんだけ娘好きや…

私は始末の悪い女

「私、始末の悪い女なんです」 あるセミナーで知り合った女性とランチをしている時、彼女はこういって話し始めた。 「私ってすぐ誰とでも友達になれるの。でも、しばらく付き合っているとなんか合わないなと思う人も出てくるわけ。そうするともうあまり会い…

悔しかったら、ずうずうしくなってみろ!

私はずうずうしい人が嫌いだった。 繊細さを理解しない、人との距離感をはからない、そんなずうずうしさ。 ずうずうしい人の代名詞と言えば「オバちゃん」だろう。 私も明らかに「オバちゃん」に属する年齢となり、あろうことか、ずうずうしさに磨きがかかっ…

私が講師になりたいと思った本当の理由

講師になりたかった。 なぜ? と聞かれると理由はわからない。なんとなく漠然と、講師になりたいと 思っていた。 かといって、そのことを誰かに話したわけでもなく、自分のココロの中で密かに 思っていただけだった。 というのも、私には講師になれる要素が…

私を捨てないで。覚えていて。

私は最近、傘をなくした。 傘をどこかに置き忘れることはあっても、なくす、つまりどこに置いてきたのか、どこでなくしたのかわからなくなる、ということは今までなかったのに。ここ数年、年齢を重ねてきたせいか、人の名前や物の名前が覚えにくくなっている…

「思い込み」は加速する一方だけれど、それでも大丈夫なワケ。

「えっつ、そんなんないですよ」 「えっつ、ないの?」 「ないですよ、それ、漫画の見すぎちゃいますか?」 な・い・ん・だ。軽くショック。 私は中学、高校と6年間女子校に通っていた。 女子校だから男子はいない。当たり前だ。 本当は、公立に行きたかっ…

負けず嫌いは 「敗北感」 しか得られない

私は負けず嫌いだ。 あの人にも、あの事にも勝利したい。敗北感なんて感じたくなどない。 けれども、負けはやってくる。あの人にも勝てない。気づけば敗北感だらけだ。 ある時私は思った。 私はいったい何に、何のために勝とうとしているのだろうか? 勝ちた…

とあるレジ係のおばさんにいつも苛立っていた理由

「すみません、もう一枚袋ください」 「大きさは?」 「大で」 「はい、どうぞ」 私はこの会話を彼女と何度繰り返したことだろう。 家から歩いて3分のところにある大型スーパー、もうかれこれ10年以上、一応主婦だからほぼ毎日通っている。 それだけ通っ…

私、ここまでなら脱げます

歳をとってきたせいなのか、かなり脱いでも平気になってきた。 お金を稼げるような、そんな人様にお見せできるような価値のあるものを持っているわけでもないし、有名人でもない。だから等身大の自分というものがわかってきたのかもしれない。 だいたい若い…

彼女は困った話がしたいのだけど

チカちゃんは、電柱につながっていない家に住んでいる。 だから2年前に家を新築した後、メーター検針の人がやって来た時には、家の周りをぐるぐる回って一生懸命メーターを探していたそうだ。しかし、探せども探せどもメーターは見つからない。そこで、検針…

私は夫を無視することにした

私はしばしば夫を無視する。 これは夫、いや私たち夫婦のためなのだ。 自分で言うのもなんだけれど、私は「察する能力」がある方だと思う。あの人は次にこういう行動をするだろう、あの人は次にコレを欲しがるに違いない、と察する能力。この能力は仕事では…

人生に彩りが少ないのなら、クローゼットの中を見て欲しい

電車の中で私の目の前に座るステキな女子。ものすごく美人というわけでもないのに、なぜかキラキラして見える。私は吊革につかまる手に力を入れ、彼女を観察してみた。 うん、やっぱり顔って訳じゃない。彼女は確かにかわいい、けれどそこじゃない。髪型? …

輪廻転生の案内人

「ここが死のゾーン」 「それで、あっちが生のゾーン、そして向こうが老いてゆくゾーンね」 今、私は輪廻転生の現場に来ている。こんなに間近で現場をみることができるなんて知らなかった。 まず私が案内されたのは、死のゾーン。ええ?! そんなゾーン案内…

自由研究でわかったことは「大人は信用ならない」だった

「こんなの、雑草ばかりじゃないか」 おじさんはがっかりした様子でそう言った。 私は夏休みの自由研究をやりたくなかった。けれど、宿題はやらないと怒られる。仕方がないので自由研究は「植物採集」にすることにした。 といっても、そもそもやりたくないの…

私を監視していたのは彼女だった

私は常に見張られている。 それを考えると憂鬱になり、気が滅入る。逃げても逃げても追いかけられ、決して逃れることはできないのだ。 ある休日、私は朝からだらだらと何もせず、ゴロゴロして過ごしていた。 「それでいいの? いいわけないよね? 大切な1日…

その話何回も聞いたと思った時の大人の対応

「その話、何回も聞いたわ」 90歳母に対して、最近この言葉を発することが多くなった。 これはお年寄りに言ってはいけない言葉だそうである。 前にも聞いた、昨日も聞いた、と言われることが大きくプライドを傷つけるらしい。 とはいえ、こっちにだって言…

スマホがなかったあのころ、たった一時間の体験で私が味わい尽くしたもの

「もしもし、山田さんのお宅でしょうか? わたし中村と申しますが、洋一さん いらっしゃいますでしょうか?」 「はい、ちょっとお待ちください」 受話器を置く音。「ああ、またお母さんだ……」 夜9時に電話するって言っているのに、いつもお母さんが出る。毎…

「老眼」とはもしかしたらとてもありがたいことかもしれない

老眼。なんというネーミングセンスのなさ。「老いた眼」って、 いったい誰が名づけたのか? もっとましな名前はなかったのだろうか? この2文字を見るたびに怒りさえこみ上げてくる。聴覚が衰えても老耳とは いわないし、腰が曲がってきても老腰とは言わな…

私が今、髪を切れない本当の理由

私は今悩んでいる。 髪を切ろうかどうか悩んでいる。 そんな悩むほどのことかと思われるかもしれないが、髪は女の命と言われるよう に、いくつになっても髪を切る時というのは悩むものである。 たとえばそれが「え? どこ切ったの?」とまわりから言われるぐ…

私以外誰も知らないわがまま娘とその家族の物語

「こんな古臭くて、和風な家は嫌やわ! 庭なんかいらんのに無駄に広いし、 収納は少ないし、和室ばっかりやし! もっと今風のおしゃれな家に住みたい!」 今から20年前、わがまま娘のK子は私を見てそう言い放った。 私は神戸の山の上に建つ、築35年の日…

学習が得意だった私が唯一学習できなかったこと

もうやめたい…… 本気でそう思った。 絶対に、やめられないことはわかっている。 でももうこれ以上無理。 かれこれ3時間以上は経っているだろう。体中が痛い。明らかに疲弊している。 それでもこの3時間の行動に自分自身が大きな進歩を感じていたとしたら、…

私は高校生のとき、男性教諭の恋愛相談に乗っていました

私は高校生の時、男の先生の恋愛相談に乗っていた。 今考えると、異様なことのようにも思えるのだが、その当時はそんなにおかしなことだとも思わず、むしろ、私のような小娘でいいんですか? 恐縮です。くらいにしか考えていなかった。 その年の夏休み、先生…

一生ご縁がないと思っていた「オペラ」の効用は予測をはるかに上回った

たぶん一生ご縁がないと思っていたオペラ。 私にとってオペラといえば、映画ゴッドファーザーの最後のシーンで、 アル・パチーノ演じるマイケル・コルレオーネが、オペラを見に行った帰りに 暗殺されそうになったあの場面。 オペラとは、ヨーロッパの貴婦人…

私の首を絞めていたのは、自分で決めたマイルールだった

「だってお兄ちゃんだから」 この一言の威力、私にはとてつもなく大きな壁だった。 小さいころ、ごはんやお味噌汁の出てくる順番はいつも兄が先だった。 お肉やお魚の大きさは、いつも兄の方が大きかった。 「なんで私はいつも後なん?」 「なんでお兄ちゃん…

片づけられないのは、私のせいじゃない。ヌシのせいだったんです。

「そういう部屋には、たいていヌシがいるんですよ」 これを聞いたとき、私はまだどこか他人事だと思っていた。 私は小学生の頃から手芸が好きだった。フエルトや刺繍糸などの材料と、作り方の本を交互に見ながら、これから何を作ろうかと思案するのがとても…

それで、いいのだ! それが、いいのだ!

私にはギャップがある。 正直言って学生時代、そこそこモテた時期がある。だけど、なかなか相思相愛にはならなかった。なぜかというと、この「ギャップ」のせいだ。 私は表向き、おとなしくて従順な人に見えるらしい。だから、そういう人が好みであろう人が…

ある現代国語の先生から学んだ言葉より効果的な教え

谷まん(たにまん)。私たちは親しみを込めてそう呼んでいた。 彼の名前は谷川先生。高校3年生の担任、教科は現代国語担当。 アンパンマンが髭を生やしたような風貌からなのか、 はたまた肉まんのようにまんまるな体型だったからなのか 定かではないけれど…

新幹線のグリーン車には目に見えない特典が付いていた。

7号車7番C。 これは、私が新幹線を利用するときの指定席の番号。 77の席と私は勝手に呼んでいる。 5年ほど前から、仕事の関係で新幹線を利用することが多くなった。 多い時には、週に2回ぐらい、往復で考えると4回ぐらい乗ることもある。 新幹線に乗…

まず確認なのですが、あなたと私は知り合いじゃないですよね?

「ちょ、ちょっと待って! あなたと、私は、知り合いじゃないですよね?」 きっとあの時、私の頭の上には「はてなマーク」が沢山出ていたに違いない。 私は、一歩外に出れば80%以上の確率で知り合いに会うような、そんな田舎町に住んでいた。近所の人は、家…

あなたは強すぎたのです! 早すぎたのです!

拝啓 暑さが日ごとに加わってまいります。お元気でお過ごしでしょうか。 あなたとお会いしなくなってもう5年ほど、いやもっとになるでしょうか。以前はあんなに頻繁に会っていたのに、今では会うことがなく、あの頃が懐かしく思えます。 あなたはよく私を頼…

あなたの意に沿わないかもしれないけれど

私は「ありがとう」が言えない。正確にいうと言えなかった。 私は落し物を拾ってくれた人がいれば「ありがとうございます」と言うし、友達と会って楽しい時間を過ごしたあとには「今日は会えて嬉しかった! ありがとう!」と言ったりもする。一日に何度も「…

執着が嫌いだった私が母から教わったのは執着することだった

「この度高齢のため、9月30日をもちまして廃業致すことになりました。 今までの御愛顧に感謝致します」 母が廃業した。御年89歳。 昭和34年4月に開業してから、平成28年9月まで、57年と5ヶ月間。 神戸の下町で歯科医を営み続けてきた母。 私が…

いけずババアの英語教師がくれた意外すぎるプレゼント

「グッドモーニング、ミスアオキ」 「グッドモーニング。ハウアーユー?」 「アイムファインセンキュー、アンドユー?」 「ファインセンキュー」 お決まりのあいさつで始まるミスアオキの英語の授業。 ミスアオキとは、私が通っていた中高一貫女子校の英語教…

料理を取り分けてくれる女はオトコに媚びているわけではなかった。

「ほんま、いらんことするよな」 OLをしていた20代の頃、ずっと思っていたことがある。 社内の懇親会とか、友達同士の飲み会とかに行くと、 出てきた料理を、みんなに取り分けてくれる後輩がいた。 手際よく人数分に小皿に取り分け、 「はい、どうぞ」とい…

私は本当に泣けないオンナなのだろうか?

私は泣けない女である。 私がどうも泣けない体質らしいと気づいたのは、 中学2年生の時だった。 当時流行っていた宇宙船艦ヤマトの映画を、友人たちと見に行くことになった。 私はアニメには全く興味がなかったのだけれど、 仲のよかった友人たちがみんなノ…