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まるこ & あおい のホントのトコロ

さらっと読めて、うんうんあるある~なエッセイ書いてます。

それで、いいのだ! それが、いいのだ!

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私にはギャップがある。

 

正直言って学生時代、そこそこモテた時期がある。だけど、なかなか相思相愛にはならなかった。なぜかというと、この「ギャップ」のせいだ。

 

私は表向き、おとなしくて従順な人に見えるらしい。だから、そういう人が好みであろう人がやってくるのだ。例えば体育会系の人。見た目もガッチリ、俺が守ってやるぞ! という空気感ムンムンでやってくる。

私は……と言えば、とても申し訳ない気持ちでお断りすることになるのだ。あなたには、もっと従順で素敵な女性が似合うと思います。私ときたら、我が強くて毒舌で、ひとつも言うことなんか聞きやしません。あなたの後ろからついてゆく、なんてことはできないんです。むしろ、あなたより先に歩いて「私についてきて!」と言いかねないんです。そんな風に思えないかもしれませんけれど。

 

こんなことを言ったら何様だ! と言われるかもしれないけれど、誤解を恐れずに言えば、この当時「もう、断るのも面倒くさいから誰も私に告白なんてしないでください」と思っていた時期があった。好きになってもらえるのは本当にありがたい。それはそう思うのだけれど、それをひとつひとつ断っていくときの申し訳なさや罪悪感の重さに耐えられないと感じていたのだ。それならばいっそのこと、見た目も中身も一致するようにすればいいんじゃないかと思って、自分なりに色々試してみたこともある。けれど、効果は芳しくなかった。

 

今思えば、そうは言いながらも自分に自信がなかったことが原因していたかもしれない。人見知りで、心を開いた人にしか「素」を見せられなかった。だから、結局のところ自信がなく、弱々しいイメージだったのだろう。ギャップがあるといいながら、そうしていたのは自分だったのだ。

 

あの頃は、周りにいる人ほとんどが「敵」に見えた。私が負けず嫌いなことも原因のひとつだと思うのだが、心から信用できる人なんてほとんどいないと思っていた。この頃の信用できる人というのは、自分と全く同じ思考をする人のことだったのだろうと思う。そりゃあそんな人、いるわけがないのだ。みんなすぐに裏切るとも思っていたが、裏切るというのは「自分の期待に沿ってくれない」ということなのだから、みんなすぐに裏切ったわけだ。自分はギャップがあるくせに、人にはギャップを許していなかった。

 

ところで、ギャップってなんなのだろう。

見た目と中身が違うことだと思っていたけれど、違うと思っているのはあくまでも自分の思い込みなのだ。見た目で「この人はこういう人に違いない」と勝手に判断しているだけ。もちろんそれは個人の自由なので、どう思ってもいいのだけれど、問題はその思い込みが違っていたときに「そんな人じゃないと思ってた、がっかり」と思ったり、言われることなのだ。

 

私が学生の時、お断りする重さに耐えられないと感じたのは、相手のその思い込みに対してまでも私が背負おうとしていたからなのではないだろうか? 従順だと思われているのならば、期待に応えて従順っぽくした方がいいと思うけれど、それはできないんです、と。そしてさらに、私も勝手にこの人は従順っぽい人が好きなはずだ! という思い込みを持っていた。本当のところはどうだったのか、今となってはわからない。

 

そもそも人間なんて、ギャップがあって当たり前なのではないか?

会社に行けばそこでの役割を演じ、恋人の前ではまた別の自分を演じる。もっと言えば、相手によって変幻自在に自分を変えているのかもしれない。これが本当の自分だ、なんて言える自分は果たしているのだろうか?

 

であれば、もっと積極的にギャップを楽しめばいいのではないだろうか。

Aさんと会っているときの自分はこんな感じ。Bさんと会っているときは何だか優しい私がいる、なんていう風に。どれが良くてどれが悪いだなんてことはないのだ。そこにそんな自分がいる……という、ただそれだけのことなのだ。

 

新しい出会いが楽しいのは、もしかしたら新しい自分に出会えるということも大きいのかもしれない。そう考えると、人見知りというのは、もしかすると新しい自分を見るのが怖いということなのかもしれない。自分が想定する自分以外の新しい自分が出てきたらどうしよう、どう対応してよいのかわからない。そんな自分、前例がないから傾向と対策が立てられない、と思っているのかもしれない。

少なくとも、私はそういう側面があったように思う。自分の知らない自分。そんなものが現れて、みんなに嫌われたらどうしよう。あの人、おかしな人だと思われたらどうしよう……という恐れがあった。

 

もうこれからは、どんどん新しい自分を発見していきたいと思う。どのみちどれも全部「私」なのだ。そして、この自分は何だか嫌だなぁと思ったのならやめてみればいいのだ。なんと言っても「変幻自在」なのだから! こうなったら、どんどん発見して、選択肢を増やしてみたい。毎日の洋服を選ぶように「今日の私」が選べるくらいに。

 

私にはギャップがある。

それで、いいのだ! それが、いいのだ!

 

記事:渋沢 まるこ