まるこ & あおい のホントのトコロ

さらっと読めて、うんうんあるある~なエッセイ書いてます。

正しいクリスマスの過ごし方

その日は、朝から吐く息が真っ白になるほど寒い日だった。夜は雪になると天気予報で言っていた。 私はかじかむ手をこすり、眠い目をこすりながら会社へ向かった。今日はクリスマス! 何だか社内も朝から浮かれた人が多いような気がする。昨日は下準備をする…

私の中のアラームが鳴るとき

私の中には、ウォンウォンとパトカーのように鳴り、点滅するアラームが内蔵されている。 若かりし日のほとんどの記憶は「若気の至り」のようなものが多く、自慢できるようなことはあまりないのだが、あの時だけは危険を顧みず、よくやったものだと思う。 私…

私の壮大な実験

今、私は壮大な実験の途中である。 なんて書くと、ノーベル賞ものなのか? どんなすごい実験を行っているのか? と思われるかもしれないが、やっていることは「靴をならべること」だけなのだ。 私も夫も、もちろんきれいな部屋が好きなのではあるけれど、片…

世の中を動かしているのは、国会議員でも官僚でもなく専業主婦だった。

専業主婦になりたかったんです。 最近立て続けに、専業主婦願望だったという人に出会った。願望だったということはそうではなかったということで、実際彼女たちは、勤続30年のキャリアウーマンだったり、自営業者の方であったりするのだけれど、専業主婦経…

〇〇のできない、できる人

「もう! またぁ?」 私は、ほぼ毎回失敗していた。その度にチームメイトからこんな声が漏れた。 私だってみんなの足を引っ張ることなんてしたくない。こんなルールを考えた人は誰なの! 私は昔から運動、特に球技が苦手だった。「ボールをよく見て!」なん…

かまってほしい病。

生きるのがしんどい…… 早く死にたい…… 最近実家に行くと、2回に1回は、この言葉を発するようになった90歳母。 夫を早く亡くし、去年までしていた仕事もついに体力の限界とピリオドを打ち、 今は家で一人、庭の手入れをしたりテレビを見たりしながら過ご…

両想いになって年賀状を送ったら嫌われた理由

私は重い女だ。 若かりし頃の恋愛が破綻したのは、ほぼこの私の重さのせいだったと言っても過言ではないと思う。 口では「サバサバしてるのがいいよね」だとか「私サバサバしてるから」なんて言っていたが、今考えるとちっともサバサバなんてしていなかった…

オンナが褒めて欲しい時。

「変わった服やね」 あれは忘れもしない、結婚してまだ間がない頃だった。 ワンピースだったかなんだったか、はっきりは覚えていないけれど、 気に入って買った服を着て、出かけようとしているときのことだった。 夫が私の服を見て言ったのだ。「変わった服…

それは、ある日突然に

携帯電話には、かなりの着信履歴が残っていた。それは、夫からのものだった。 平日の昼間、仕事をしているはずなのに、お昼休みの時間でもないのに、この履歴の量は尋常ではない。何かあったのだろうか? 私はすぐに折り返した。 「何かあったの?」 「死ん…

亀の死は、いつかどこかの私から今の私へのメッセージだった。

亀が死んだ。 次男が可愛がっていた小さなミドリガメ。 4~5年前、彼が小学校4年生の時、用水路で見つけて我が家に連れて帰って きた。 「名前、どうしよかなー」と悩んでいる次男に、「亀やから亀吉でいいやん」 と安易なネーミングを提案したのは私だ。…

人見知りは、かなりの傲慢だった

人見知りは、実は傲慢なのではないかと思う。 今でこそ私の人見知りもだいぶ緩和されてきたけれど、昔は「超」がつくほど人見知りだった。幼い頃、公園で遊んでいる何人かの子どもを見て、仲間に入れて欲しいと思ったけれど、私にできることは遠くから羨まし…

「スッピンでごめん」からの卒業。

「すっぴんでゴメン……」 最近の私は、人に出会ったとき必ずこう言ってしまう。 すっぴんがまるで悪いことであるかのように。 私は今化粧ができない。 肌が荒れているからだ。 いや厳密に言うと、ずっと肌は調子よくなかった。 でも化粧してごまかしていたの…

私の真似しないでよ!

あれ、私が見つけてきたのに……真似された。 あの人、私が見つけてきたのに……。 こんなことがよくある。その度に私は、どうして真似するのよ! 自分で見つけなさいよ! なんて思っていた。だって、私はいつもアンテナを張り巡らせて、苦労して見つけてきてい…

すでに相当の自由を与えられていながら、それに気づいていなかった私

「きゃーーっつ!!」 私は大きくバランスを崩し、たった1メートル程の斜面から転げ落ちてしまった。普通の大人なら転げ落ちる方が難しいのではないかと思うぐらい小さな斜面から。 私はその時、1歳6ヶ月になる次男と一緒だった。歩くことを覚えた次男は…

泣けばいいと思うなよ!

私は「泣く女」が苦手だ。 どんなときでも泣くな! というつもりはない。私だって泣くことがある。私が苦手なのは、泣くことによってパワーバランスが急に変わってしまうことなのだ。 大学生のとき、夜中まで男女数人の仲間とバカ話をしていた。 「Sってさ…

オンナに振られたオンナが、苦悩の末にたどり着いた結論

「交換日記」というものを、今の若者たちは知っているだろうか? 一冊のノートにその日の出来事などを日記のように書き綴り、仲間うちで順番に回していくというもの。携帯電話がない時代に流行った超アナログなコミュニケーションツールのことである。 私は…

もうヨリを戻すことはないけれど、あなたは素敵な恋人でした

私はあなたが大好き。私にとってあなたはお守り。どんなときでもあなたがいてくれると思うと、本当に心が安らいだものだ。 保育園に通っていた頃、私は高熱を出した。元々体が弱い私は、小さいころからよく熱を出し、何かといえば病院に連れて行かれた。だ…

おばさんになって初めて気づいた私が大学に行った意味

「大学では何を専攻されてたの?」 これを聞かれるのが一番辛い。大学には一応通っていた。4年制の大学に。ところが何も専攻していない。いや、厳密にいうと専攻はあったのだ。ただ全く勉強していないというだけで。文系の大学生なんて概ねそんなものなのか…

喜べない妊婦が後悔の後に手に入れた喜び

妊婦が嫌いだった。 いや、他人が妊婦であってもそんなことは思わない。むしろ微笑ましく思う。 私は自分が妊婦である、という状態が嫌いだったのだ。 私には子供が4人いる。双子とかではないから、合計4回妊婦になったということになる。 一人につきたっ…

私をあなたの妹にしてください

私は長女だ。 だから、ちゃんとしなくてはいけない。おねえちゃんとして、しっかりしなくちゃいけない。 親にも度々言われてきたし、途中からは自分でも無意識に私はそうあるべきだと思って生きてきた。そのことで生きづらいと思ったこともなかったし、そう…

私という存在が彼の中から消えたとき

「ああん、足が折れた……」 「そんなすぐに、足が折れるかいな」 そいう言いながらも祖父は、「じゃあ、ちょっとそこに上がり」といって、私を小さな石段に上がらせると、背中を向けて「はい、どうぞ」という。 私は嬉しそうに祖父の背中に飛び乗る。これが祖…

亡くなった彼からのメッセージ

「昨日、Nくんの家で火事があり、残念ですが彼は亡くなりました」 考えてみれば、朝から何だか変だった。通学途中に空き地で、今までに見たことのない数のカラスを見た。気持ちが悪い……。こんな数のカラスがいるのを見たことがない。不吉だ。そう思った。…

私が成田離婚しなかった理由

着いた!! 成田から約15時間、やっと到着したレオナルド・ダ・ビンチ空港。 これから始まるおそらく一生に一度しかないであろうこの旅行に、私はワクワクと期待で胸がいっぱいだった。 新婚旅行にイタリア、フランスに行きたいと言いだしたのは夫だった。…

私は 「かわいそうな子」 でした

「かわいそうに」 私はこの言葉を何度聞いたことだろう。母はことあるごとにこの言葉を発していた。近所の子が転んで膝を擦りむいた話をしたときも、いじめられている子の話をしたときも、大人が落ち込んでいるときも。あの当時は、確かにかわいそうだよね、…

水色のクレヨンが私に教えてくれたのは、素直になるということだった。

「はーい、みんな、今からお絵描きの時間ですよ。クレヨンを出してくださーい」 先生の声掛けに、園児たちはそれぞれのお道具箱からクレヨンを取りだした。 画用紙がくばられ、園児たちは思い思いの場所で絵を書き始める。 雲一つない晴れ渡った秋の空。気持…

S婦人の奇怪な行動から見えてきたものは、認めたくない真実だった

「あっ、しまった……」 ある日の朝、娘を駅まで送り届けたあと、駐車場に車を入れようとしたとき、家の前を通り過ぎようとしていたS婦人と目が合ってしまった。 車の中から軽く会釈しながら、このまま通り過ぎてくれることを祈ったけれど、彼女は私の家の前で…

真面目 + 余白 = 不真面目?

「もう! いっつも私ばっかり……」 私は長らくこう思ってばかりいた。学生時代の掃除もほとんどサボらず、周りがサボっている分まで掃除をすることもよくあった。会社員になってからも、やるべきことはもちろんのこと、どうしたら他の人達も使いやすくなるの…

自慢の父からスケベ親父への転落、からの復活

「さあ、ウイットのきいた会話、しようぜ」「あほちゃう? このおっさん。ウイットってなんやねん? そんな昭和な言葉知らんわ」娘はすかざず夫に突っ込む。 アホと言われようが、おっさんと言われようが、にこにこして娘と会話している夫。どんだけ娘好きや…

私は始末の悪い女

「私、始末の悪い女なんです」 あるセミナーで知り合った女性とランチをしている時、彼女はこういって話し始めた。 「私ってすぐ誰とでも友達になれるの。でも、しばらく付き合っているとなんか合わないなと思う人も出てくるわけ。そうするともうあまり会い…

悔しかったら、ずうずうしくなってみろ!

私はずうずうしい人が嫌いだった。 繊細さを理解しない、人との距離感をはからない、そんなずうずうしさ。 ずうずうしい人の代名詞と言えば「オバちゃん」だろう。 私も明らかに「オバちゃん」に属する年齢となり、あろうことか、ずうずうしさに磨きがかかっ…